フランス映画を最近観ていない・・・。一番最後に観たフランス映画ってなんだったけ?と首を傾げなければならないほど観てないのです。
でも考えてみると、わたしはどちらかというとフランス映画は苦手なほう。観ている本数も元々そんなに多くありません。おしゃれさんに対するコンプレックスがあるから、‘フランス映画=おしゃれ’という意識の強いわたしは「どうせ観てもわかんないだろう」と思ってしまう。ほんとはゴダールとかトリュフォーとか、すごく憧れるんですけど。
なんだかんだ言ってやっぱりアメリカの映画をたくさん観てる自分に納得のいかないものを感じつつ久しぶりに観たフランス映画は、しかし大満足の作品でした♪
『パリ、ジュテーム』 (2006 仏・独・リヒテンシュタイン・スイス)
リヒテンシュタインって、どこなんだろ?『ロック ユー!』ではヒース演じるウィリアムの偽りの名前が‘サー・ウルリック・フォン・リキテンシュタイン’でしたけど、ここの出身という設定だったのでしょうかね?
と、それは置いといて。
いろいろな国の監督・俳優陣が、パリにいるさまざまな人々の生活・出会いや別れを描いたオムニバス映画です。だから純粋には‘フランス映画’とは言えないのかもしれませんが。
こういう映画の注目点のひとつはやはり豪華な監督・キャストだと思うんだけど、こんなにすごい人たちがよくまあ集まったもんだなあと感心。18ある物語のほとんどが当たりだったのも驚きだし、短い話がこんなにたくさんなのに全くせこせこしていないのもすごい。むしろゆったりとした気分で、いつまでも観ていたくなっちゃう。
5分間という制約なので、ほんの数時間の出来事だったり長い期間の話も短縮してあったりなのですが、それがかえって効果的というか。どれも「ああ~、もうちょっと先まで見せてほしいなあ~~~」というところで終わっているんです。
この話や、
この話も。どうなったんだろ?気になる。
パリを舞台にしたオムニバス映画といえば『パリところどころ』だけど、大昔にビデオで一度観たきりなのでほとんど覚えてません(←ダメダメ)。なんかわたしにはやはりちょっと難しかったような・・・?それに比べて、地元出身の監督に加えて他の国の人たちがその目線で撮った作品も入っているこの『パリ、ジュテーム』の方は、率直に言ってとてもとっつきやすかったのでした。「わー、これならわかるよ!」という感じ(レベル低い・・・)。
それにしても愛に溢れた幸せな映画体験!レディースデイの1000円でとびきりの贅沢ができました。すごく得した気分。
以下は、フランス映画にたくさんチャレンジしてみたいなあという気にさせてくれた18のお話の、ちょっとした感想です。
さすがの貫禄のおふたりでした。
1.モンマルトル
孤独な男が光を見つけるお話。でもコメディ。人生の理不尽についてずーっとひとりごとの文句をたれながらも実は小さな幸せを求めている主人公に、親近感が沸きます。がんばってね。
2.セーヌ河岸
パリジャンとアラブ系の女性の間に芽生えたささやかな、でもれっきとした恋。これも主人公の男の子にエールを送りたくなる。恋する男の底力を見せてくれー!
3.マレ地区
言葉の意味は伝わっていなくてもお互いに何かを感じたのは確かなこと。走り出した青年は、果たして目指す相手に出会えたのだろうか?きゃ~、ギャスパー!
4.チュイルリー
パリの地下鉄でえらいトラブルに巻き込まれてしまった観光客の男。ひと言もせりふがないのに、ブシェーミのでっかい瞳はとても雄弁。それにしても災難だ・・・。でも笑っちゃう☆
5.16区から遠く離れて
華やかな都のもうひとつの現実。16区にいながら、16区からいちばんかけ離れた存在の彼女。でもその小さな歌声に、貧しい移民の赤ん坊もブルジョア家庭の赤ん坊も安心感をもらうのです。
6.ショワジー門
フランス人シャンプーセールスマンが、チャイナタウンの美容室で大活躍。なんだかよくわかんなかったけど、カラフルでにぎやかなお話でした。ちょっとハードボイルドなミスター・アイニー。
彼のフランス語はお粗末らしいです。
7.バスティーユ
妻を捨てて若い愛人の下に走ろうとしていた男が、あることがきっかけでもういちど妻に恋をする話。うーんフランス(でも監督さんはスペインの方で、出演者も全員フランスの俳優さんではないんですけど)。妻のお気に入りの歌、赤いコート。彼がもう恋をすることは、ないのかな・・・。
8.ヴィクトワール広場
幻のカウボーイに導かれて、亡くした幼い息子に再会する母親。やはり‘会いたいと思えば、いつでもどこでも会える’のです。デフォーのカウボーイ姿を目に焼き付けろ!なんちゃって。
9.エッフェル塔
パントマイム芸人とその妻の風変わりな馴れ初めの話。存在しないバスも、彼らには見える。でっかいランドセルをかるって駆け出す男の子の笑顔がとてもいい。
10.モンソー公園
歳の離れた男女が歩きながら繰り広げる痴話喧嘩と思いきや、実は・・・。ニック・ノルティとリュディヴィーヌ・サニエ(←大好き)とは、なんと濃い組み合わせ。でも微笑ましいお話でした。
11.デ・ザンファン・ルージュ地区
パリに映画の撮影に来たアメリカ人女優とドラッグの売人の間に生まれた恋? マギー・ジレンホール、フランス語上手なんですねえ。彼女の独特の柔らかい雰囲気、やはり好きです。
12.お祭り広場
医学生の女性と、彼女に手当てされている負傷した男性。実は2人が出会うのはこれで二度目で・・・、というお話。彼はきっとあのコーヒーを飲めたはずだと、わたしは思います。
粋な組み合わせ、粋な会話。
13.ピガール
歓楽街で出会った男と女。ある覗き部屋の中で、ふたりに何かが起ころうとしていた・・・。ファニー・アルダンかっこいい~。洒落た雰囲気の、大人のお話でした。
14.マドレーヌ界隈
バックパッカーの青年が夜に街中で出会ったのは、美しい吸血鬼。彼女に恋した彼は、自ら進んで血を吸われようとするが・・・。サイレントのモンスター映画のような、日本の昔話『雪女』のような。イライジャが頑張ってるのをみると嬉しい♪
15.ペール・ラシェーズ墓地
結婚前の一足早い新婚旅行でパリを訪れたイギリス人カップルに、破局の危機が訪れる。いったい彼らはどうやってそれを乗り越えたのか? オスカー・ワイルドは男女の喧嘩の仲裁もできるんだ!仲人に向いてます。皆さんいかがでしょう???
16.フォブール・サン・ドニ
恋人から突然別れを告げられた盲目の学生が、彼女とのそれまでを振り返る。いかにも映画的な、ロマンチックな出逢い。でも、並んで歩いていたつもりがいつの間にか・・・というのは現実の世界でもたくさん起こっている。手遅れにならずに済んでよかったね。
17.カルチェラタン
何年も別居してきて、やっと正式に離婚することになった初老のアメリカ人夫婦の物語。長い時間を共に過ごしてきたふたりのやりとりと、ひと言では言い表せない気持ち、相手に対する思い。いちばん好きなお話でした。
18.14区
教室に通ってフランス語をなんとか習得し、初めて憧れのパリに一人旅でやってきたアメリカ人中年女性。故郷から遠く離れた異国の地で彼女に訪れた、幸福な瞬間。そんな瞬間を迎えることが、わたしにもあるのかなあ・・・。
最近のコメント