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2007年3月 6日 (火)

『華麗なる恋の舞台で』  大女優を、ゆめゆめ侮ることなかれ!

先日の記事でも書きましたが、ちょっとメロウ(死語???)だったわたしの心を晴れやか!爽やか!に変えてしまった、あっぱれな映画。
主演のA.ベニングはもちろんのこと、出演者がみーんなとっても楽しそうでした。しかもその共演陣が豪華!誰が出演しているかなどの予備知識をほとんど持たないまま観たので、次々に出てくる錚々たる顔ぶれに思わず「うおっ♪」「キャー♪」と声を上げてしまいそうになりました。

Beingjulia_70301_6_1  『華麗なる恋の舞台で』 (2004 米)

同じ舞台・同じ毎日の繰り返しにうんざりして、変化を求めていた人気女優のジュリア。
ある日出会った親子ほども歳の離れた青年と恋に落ちることによって、そんな彼女の人生は一変。恋のパワーでエネルギーに満ち溢れた幸せな日々を送りますが、青年の心変わりによってやがて破局が訪れます。大きな痛手を負うジュリア。
彼女の、女優として、そしてひとりの女性としての輝きはこのまま失われてしまうのでしょうか?
(・・・このあらすじ、ちっとも面白くなさそう・・・。でも喜劇なんです)

以下ネタばれ。

Beingjulia_70301_1
最近よく見かける(気がする)M.ガンボン。ちょっと怖いイメージがあったんだけど。

昔からジュリアのファンだったという青年、トム。彼はあっという間に彼女の心を掴みます。そしてこの恋が女優としてのジュリアにも多大に影響するのです。月影先生なら‘プロの女優は仮面をかぶらなくては!’と叱咤するところでしょうが、私生活の問題と仕事を完全に切り離して考えられる人なんて、あんまりいないはず。ジュリアもまさにそのタイプでした。うまく行ってるときはそれまで以上に素晴らしい演技ができたけど、だめになると役柄に気持ちを込められなくなってしまううのです。
そのうえ、女優の卵であるエイヴィスという若い女性を新しい恋人に得たトムの、とても理不尽な頼みが追い討ちをかけます。
“エイヴィスをあなたの芝居で相手役に抜擢してほしい”
しかしジュリアはこれを受け入れ、しかも、若手の女優に活躍の場を譲りまるで一線を退いてしまったかのような雰囲気まで漂わせるのです。そんなジュリアに戸惑う周囲の人々。
でもこれが、彼女の華麗な、まるで不死鳥のような復活劇の第一歩でした。
(上のポスターもなんとなく不死鳥を思い起こさせる気がするんですけど、いかがでしょう?)。

Beingjulia_70301_2
物語の中でよくある、‘いい男ってほとんどが~’の見本のようなB.グリーンウッド。

今まで何度も書いてきたけど、やっぱり俳優さん・女優さんというのはスゴイ職業。しかもそれがいくつもの舞台でいくつもの役を演じてきて酸いも甘いも噛み分けた女優ならば、向かうところ敵なし!なのです。
ジュリアを楽々手玉に取った(とまでは本人は思っていないかもしれないけど)トムも、トムのコネを使ってのし上がるチャンスをまんまと掴み幸せの絶頂にいたエイヴィスも、所詮ジュリアの相手ではありませんでした。彼女は若い彼らに、舞台の上で‘女優として’見事復讐を果たします。それはそれは完璧に、鮮やかに、しかも意地悪く。あまりにも意地悪なので、最初はわたしも引いてしまったんですけど・・・。
でもよく考えてみると、これは意地悪ではありません。人生経験・舞台経験・演技力のガチンコ勝負。ジュリアが勝っていたのは、当然といえば当然の結果なのでした。
(ここでも『ガラスの仮面』を思い出してしまったわたし。乙部のりえをやっつけてマヤの敵を打った亜弓さん!美内すずえさんもこの物語をご存知なのだったりして☆)

Beingjulia_70301_5_1 
実はそんなによく知らないないんだけど、やっぱジェレミーよいです。改めて惚れ直し。

個人的に、俳優さん・女優さんが意地悪ーい役を楽しそうに演じているのを観るとこっちまで楽しくなってしまうのですが、それはジュリアの周りの人々も同じでした。
はじめこそ、舞台を台無しにしてしまいかねないジュリアの演技に焦り、「なにやってんだあいつは!!!やめんかい!!!」というように眉を顰めたり、ハラハラしていた舞台関係者たち。でも、彼女の演技を舞台袖で、客席で観ているうちに、彼らはただのいちファンに戻ってしまうのです。ジュリアの実力と魅力に圧倒されて、彼らの目もまた彼女と同じように輝きます。
「わたしたちは今、素晴らしいものを目撃している!」
そんな声が聞こえてきそうな、観客の表情がとてもステキ。
そして迎える大団円。ブラボー、ブラボー大女優!

映画館の外に出ると空は晴れ渡っていて、本当に「ああ、観に来てよかった~~~」とお腹の底から実感したのでした。

Beingjulia_70301_4
うーまーいー!J.スティーブンソン(左)。好きなので大きな画像を使っちゃいます。

しかし映画の感想を書こうとすると、ついつい長くなってしまうのはなぜだろう?
で、長いついでに最後にまたちょこっと。

わたしの好きな映画の鉄則として、登場人物がみんなステキ!というのがもちろんこの映画にも当てはまるのですが、特に好きだったのはJ.スティーブンソン演じる付き人のエヴィ。長年ジュリアの世話をしてきたので、彼女のお決まりの愚痴も「またかい」というようにいなしてしまうし、本番前のジュリアに“Go to hell!”なんて口を叩くほど遠慮がないんだけど、実はジュリアの一番の理解者でありファンなのです。
そして、ジュリアの息子のロジャー。女優としての母しか知らないため、本当の彼女を掴みかねている彼。しかし、少し距離を置こうとしていた母の舞台を観て、息子は初めて彼女という人間を知るのです。ジュリアに惜しみない拍手を送り、「俺の母ちゃん、すげえ!!!」というように素直に敬意を表する姿を見て、わたしも嬉しくなってしまいました。

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コメント

こんにちはー。
楽しくてステキなオトナ映画でしたねー。
私も付き人のエヴィの存在はツボでした。
なるほど。ラストの舞台対決はガラスの仮面を思い起こさせるものですね!

投稿: かえる | 2007年3月 8日 (木) 13時10分

かいろさん、はじめまして。
TBとコメントをありがとうございました♪
粋な喜劇で、素敵な映画でしたね。
息子のロジャー君は、「TOMよりずっといいな~」
なんて見ていました。
舞台上の母に拍手を送る姿はよかったですよね☆
そして付き人のエヴィ。
付き人でも遠慮のない物言いや接し方が印象的でした。
演じるジュリエット・スティーヴンソンも上手かったです。

ブログのタイトル、素敵ですね~^^
またよろしくお願いします♪

投稿: sally | 2007年3月 9日 (金) 00時12分

かえるさん、sallyさん、こんにちは!TBとコメントありがとうございます!まとめてお返事させてください。


・かえるさん
エヴィ、わたしもツボです☆
あの、あまり教養がなさそうでつっけんどんでそっけない感じと、しかしジュリアのことが本当は大好きなところがとってもよかったです。ジュリアはなんだかんだ言って人間関係にとても恵まれているよなあと思ってしまいました。

そしてそして、かえるさん『ガラスの仮面』ご存知なのですね!!!うふふふふ。わたくし、あの亜弓さんの復讐のくだりめちゃくちゃお気に入りなんです。かえるさんはいかがでしょう?
それではこの辺で。ありがとうございました!


・sallyさん
>息子のロジャー君は、「TOMよりずっといいな~」
なんて見ていました。

全く持って同感です!TOMは、ちょっとにやけすぎな気が・・・。
ロジャーくん、今後いい男になりそうですね。お母さんをずっと見てきているから女性を見る目も確かだろうし、TOMよりも期待大だわーなどと勝手に妄想している次第です。

そして、ブログのタイトルをお褒めいただきましてとても光栄です(でもやけくそで付けたのですが~)。ありがとうございます。
しかしsallyさんの『Knockin' on Heaven's Door』の方が素敵です。大好きな歌なので・・・。ドイツ映画の方も何度も観ました♪
こちらこそ、またお邪魔させてください。
それではこの辺で。ありがとうございました!

投稿: かいろ | 2007年3月 9日 (金) 21時55分

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