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2006年9月 8日 (金)

『マッチポイント』  運がいいとか悪いとか、人は時々口にするけど・・・

‘運がいいとか~、悪いとか~、人は時々~口にするけど~’と歌ったのはさだまさし氏ですが。
みなさんは自分を運がいい人・悪い人どちらだと思われますか?
私の場合、スーパーのレジに並ぶ時ヨシここだ!と選んで並んだところが結局一番遅かったり、ちょっと気を付けたら防げたはずの仕事上のミスを見逃してしまって後でギャア~ッとなったり。でもその一方でBBMのパンフレットに当選できたし、自分でもよくわかりません。
この『マッチポイント』という映画のテーマは、ずばりその‘運’です。

Matchpoint_0907_3_3  『マッチポイント』
 ‘MATCH POINT’
 (2005 米・英)

主人公のクリスは元プロテニスプレイヤー。今は引退してテニススクールでコーチをしています。
ある日、資産家の息子であるトムが新しく生徒としてやってきました。彼と親しくなったクリスは、トムの家族(とりわけ妹のクロエ)にも気に入られ、トムの父親の会社で働くようになり、やがてクロエと結婚します。クリスの人生は順風満帆のように見えました。
しかし、クロエと結婚する前にクリスはひとりの女性と出会っていたのです。それは、トムの婚約者であるノラ。魅力的で妖艶な彼女は結婚した後もクリスの心を悩まし続けます。そしてついに一線を越えてしまうふたり。罪の意識に苛まれ一度はクリスに別れを告げるノラでしたが、あるきっかけで結局また逢引を重ねるようになってしまいます。クリスの、周りの目を気にしながら妻と恋人の間を行ったり来たりする生活が始まりました。
彼の追い風人生は、一体どうなってしまうのでしょうか?

以下ネタばれ。

わたしがこのブログで紹介させていただいた映画には、どれも絶対‘愛’がありました。しかし、断言しますがこの『マッチポイント』には愛はありません。少なくともわたしが他の映画たちに感じたような愛はなかったと思います。なんだか監督自身がこの映画の登場人物たちに愛を抱いていなかったのかしら?と思うほど、彼らはえらく突き放されて描かれているような気がしました。
クリスをはじめ、どの登場人物もどこか‘はあ~~~???’と言いたくなるような人ばかり。詳しく書くとものすごく辛らつな物言いになってしまいそうなのでやめておきますが、とにかくわたしが今まで観てきたW.アレンの映画に出てきていた‘情けなくも愛すべき小心者’とはなんだかかけ離れているのです。はっきり言って、わたしはこの映画に出てくる人みんな好きじゃない。観ていて、この人たちがどんなに大変なことになろうとどうでもいいやーとまで思ってしまったのでした。まあ貧乏人のひがみと言ってしまえばそれまでですが~。

Matchpoint_0907_2 一介の(?)元テニス選手から、今ではお抱えの運転手付きの車を乗り回し何でも経費で落とせるような身分にまでなったクリス。それまでの‘運の良さ’で今回も乗り切れると思ったのかどうかは知りませんが(いくらなんでもそこまで馬鹿じゃないかな)、彼はクロエとの生活も、ノラとの情事も続けようと頑張ります。しかし、とうとうその二重生活?にも限界が訪れ、決断を迫られるクリス。偶然出会った昔の友人にこの厄介ごとについて相談する彼ですが、その時のせりふにまた‘あーもうコイツ馬鹿。お前がどうなろうとほんとにアタシの知ったこっちゃないよ’と思わされてしまいました。問題のせりふはこんな感じ(奴に呆れるあまり記憶違いしているかもしれませんが);

「恋人の為に全てを捨てる必要があるだろうか?」

ね、もう馬鹿でしょう???イニスとジャックは20年間あんなに苦しんだっていうのに、こいつは、こいつは~~~。あーもうムカつく。
そしてクリスは、わたしをムカつかせたままある行動に出るのですが・・・。

完全にネタばれになってしまうのでここから先の物語には触れませんが、最終的にはひとりの人物(Aさんとしておこうかな)が‘マッチポイントを取って試合に勝利する’ことになります。
Aさんは‘運が良かった’のか?刑事はなんとなく間抜けで、周りの人はいまいち鈍感。Aさんが何を企んでいるのか、そんなことには考えも及ばない(考えついてもそれを証明できない)人たちばかり。外野がこんな感じだったということも、‘運’のひとつなのでしょうか。だとしたらAさんの‘運の良さ’は本物だったのかもしれません。

Matchpoint_0907_1_1 テニスの試合では、ボールがネットにぶつかって弾み、どちら側に落ちるかで試合の勝敗が決定してしまうことがあるそうです。冒頭でのクリスの言葉;

“運が良ければ向こう側に落ちて試合に勝ち、運が悪ければこちら側に落ちて負ける”

さて、‘試合に勝利した’Aさん。この人は、自分はマッチポイントを取った!と今のところ確信しているようです。しかしわたしは、「一生罪の意識を背負って生きていく」とか言いながらも浮かれている(ようにわたしには見える)Aさんが取ったのは、‘マッチポイント’ではなくただの‘セットポイント’だったんじゃないかなあと思いました。だって人生は長いんだもん。絶対にバレないなんて保証どこにもないんじゃない?
まあ、そうとでも思わなければ地道に生きている(?)大多数のひとりとして人生やってられないっつの、というのが本音ではあるのですが。
あーもうムカつく、しかし面白い映画でした。でもやっぱりムカつく割合の方が高いかな、キーッ(←まだムカついてる)。

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コメント

かいろさん★映画「マッチポイント」、あちこちの映画評で評論家たちが高得点つけてる作品ですよね。「あーもうむかつく。でも面白い」というかいろさんのご感想は後者(面白い)に重点が置かれてるという解釈でよろしいのでしょうか。「ジャックとイニスは20年間苦しんだっていうのに、こいつは~」というコメントに笑ってしまいました!ちょうど今日のかいろさんのブログに来る前に「eiga.com」という映画情報サイトを見ていまして、ここで「マッチポイント」主演のスカーレット・ヨハンソンの「セクシーフォトギャラリー」というコーナーがあったから見ていたところなんです、ついつい(汗)。この子、こんなに色っぽいのにまだ21歳なんですねー(驚)!というか、この子ってあのロバート・レッドフォード監督作品の「モンタナの風に吹かれて」の準主役の少女(当時は12歳くらいかな?)だった子なんですね。美少女が美女に成長したということでしょうが、お顔の美しさの割にはインタビューの受け答えが少々お下品っぽいような・・・(さっきのeiga.comの記事を読んだ感想:汗)。

ウディ・アレンの作品は最近のものは見ていないので、かいろさんのご紹介を読んで久々に見てみようかなと思いました。ウディ・アレンの作品では、私はやっぱり「カイロの紫のバラ」)がいちばん好きです♪(かいろさんも?)「カイロの紫のバラ」は漫画界の巨星・故手塚治虫氏が大大大好きだった映画なんですよ。公開当時、手塚先生は会う人会う人に「この映画、是非御覧なさい」と薦めていたそうです。

ところで、さだまさしの初期の傑作「無縁坂♪」ですが。
私はかいろさんとお友だちになれたので「今年は運が良かったー!」って思っております~★

投稿: メグ | 2006年9月 8日 (金) 23時20分

メグさん、こんにちは!コメントありがとうございます!
そうなんです、面白いんです!でもむかつくんです~(←しつこい)。メグさんもご覧になってみてください、最後の鮮やかな皮肉(ちょっと変な言い方ですが)にうおっとなること間違いなしです!

S.ヨハンソン、『モンタナ』に出ていましたね~。あの頃からとても印象的な女の子でしたが、こんなにステキにイヤラシイ女性になってしまうとは・・・。しかも今本当に大活躍しているようですし、W.アレン監督も彼女に骨抜きにされているとかいないとか。まだ21歳なんて、ああ末恐ろしい・・・。しかし、

>お顔の美しさの割にはインタビューの受け答えが少々お下品っぽいような・・・

ね~、そうみたいですね~。でも、こんな外見や雰囲気でいながらすんごくお上品で模範的な回答しかしないとなると、それはそれで面白味にかけるような気がしないでもないような。彼女にはこのままの路線でぜひ頑張ってほしいな~、なんて。

>ウディ・アレンの作品では、私はやっぱり「カイロの紫のバラ」)がいちばん好きです♪

はい、わたしもです!!!もしよろしければ以前記事を書いておりますのでそちらをお読みくださいませ~(大したことは書いていないのですが)。6月の記事です☆

>カイロの紫のバラ」は漫画界の巨星・故手塚治虫氏が大大大好きだった映画なんですよ。公開当時、手塚先生は会う人会う人に「この映画、是非御覧なさい」と薦めていたそうです。

はあ~、そんなエピソードが・・・。手塚先生にそこまでさせるとは、スゴイ映画です。監督本人に教えてあげたいですねえ、あなたの映画のファンの中には本当にすんごい人がいるんだよ~って。
それではこの辺で。ありがとうございました!
追伸:メグさん、また嬉しいお言葉を~~~。こちらこそ、ですう~。BBMに魅了されたみなさんにとって、今年は本当に実りのある年になりましたよね♪ ウフフフフ~。

投稿: かいろ | 2006年9月 9日 (土) 19時45分

お伺いするのが遅くなってごめんなさい。
TBありがとうございました。
全くねー。私も同じ気持ちです。
誰にも共感できなかったし、いやーな気持ちになりました。
でも、むっちむちで生意気なスカ嬢は大好きなので
このままワガママ大女優になってほしいです。
次もウディ爺の映画で ヒュー・ジャックマンを
毒牙にかけるようなので、少し心配ですが。

投稿: kino | 2006年9月30日 (土) 17時35分

kinoさん、こんにちは!コメントありがとうございます!
>むっちむちで生意気なスカ嬢は大好きなので
このままワガママ大女優になってほしいです。

はーい、おっしゃるとおりです!!!
今日立ち読みした雑誌には、スカ嬢は“インタヴューの時にガムを噛みながら見るからにやる気のない様子で現れて、「つまんない質問はしないでよね」なんて言っていた”と書かれていました。さすがスカ嬢!やっぱりこの人はこうでなくっちゃ~。
次の餌食(?)はあのH.ジャックマンなのですか・・・。なんか絵面を想像しただけでもう濃ゆいですね、うっぷ。しかし楽しみです♪
では、次にいただいたコメントへ続きます~。

投稿: かいろ | 2006年10月 2日 (月) 21時10分

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