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2006年8月17日 (木)

『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』  出るのはため息ばかりなり

Stoned_0816_1 『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』
‘STONED’(2005 英)

ストーンズの初期のメンバーで、途中で脱退してしまったB.ジョーンズの死の真相を描いた物語。ブライアンの死は事故死か?自殺か?他殺なのか?監督のS.ウーリー氏は取材に取材を重ねて、ひとつの結論にたどり着いたそうです。
“彼の死は、他殺であった。”
ならば殺したのは誰か?

音楽に特別詳しいわけでもなくストーンズのこともほとんど知らないけれど、予告がかっこよかったから、そして話がなんとなく面白そうだったので観てみました。そしたらかなりの拾い物だった!観といてよかった!元々詳しい人が観てどう思うかはわからないけど、わたしは好きでした。

以下ちょっとネタばれ。

容疑者として浮かび上がったのは、ストーンズのメンバーや元恋人、ツアーマネージャーや世話係として一緒に暮らしていた男。この中に犯人がいるのか?なぜブライアンは殺されなければならなかったのか?それを探るために、映画はストーンズが有名になり始めた頃から彼の死までをたどり、ブライアンがどんな人物だったのかを描き出していきます(で、結局どういう人だったのかというと、かなり問題のある滅茶苦茶な人だったらしい)。

彼はヤバイ人だった、というのはこんなポスターを見ればまあなんとなく予想がつくし、ドラッグやら奔放な女性関係やらちょっとおかしい金銭感覚やらにははっきり言ってあんまり興味はわかなかったのですが、ではどこが好きだったのかと言うと、それはオチにつきます。ブライアンの死の理由、なぜ彼が死ぬ方向に運命は動いていったのか。びあんこさんもブログで取り上げられていた、そしてわたしも大好きな『ゴッド&モンスター』を彷彿とさせるような、悲しい、でも納得できる理由がそこにはありました(書かないけど)。

Stoned_0817_1_1ブライアンは言います。「俺はそこそこ幸せだった。でも、幸せというのは退屈なものでもあるんだ」 
だから心から愛していた恋人にもひどい仕打ちをして、何よりも大切なはずの音楽にも真剣でない振りをしたのですか、ブライアンさん。すんごい矛盾です。でもそういう、大事なものを大事にしない屈折した気持ちは、そんなに珍しいものじゃない気もします。・・・なんか、なんか、ああ~。ブライアンは敢えてそういう道を選んだんだろうけど、見てるわたしは辛い。後悔してはいないだろう彼の代わりに、ため息をつきたくなってしまう。ラストのブライアンが明るい表情なのも、かえってわたしには悲しかったりして。こんな見方が正しいのかはわからないのですが・・・(それにしてもつくづくわたしはこういう矛盾した人や、そんな人を描いた作品に弱いのねえと再確認)。

映画の中で犯人とされている人物は今は故人になっていて、死の間際に自分が彼を殺したのだということを告白したそうです。それが本当なのかはたぶんもう調べようもないことなのだろうし、ブライアンが死んだ理由というのも監督の想像による所が大きいのかもしれません。だからやっぱり彼の死の真相はきっとずっとわからないままなんだろうな。でももし事実がこの映画に近いものだったら・・・。やっぱりため息だあ。

ブライアンが水の入っていない空っぽのプールの(『ロードオブドッグタウン』か?)音の反響に目を輝かせて、同居人のフランクと一緒にすごく楽しげに楽器を弾く場面が、彼の音楽に対する思いを表していてとても印象的でした。そんなに好きならもっと大事にしなよバカ~!でもそうはできない人だったんだよなあ。なんか、なんか、ああ~(エンドレス)。

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コメント

かいろさん、こんにちわ。
暑いさなか、かいろさんも扇風機のジャックもぴょこん太君も頑張ってることと思います。皆、暑さに負けないよう気をつけてくださいね。

洋楽に携わる方って、今も昔も若くして亡くなる方が多いような気がするのですが、私、とにかく若い人が死んでしまうのってほんとにもったいないと思うんです。ましてや並外れた才能の持ち主が早逝してしまうのはどう考えても惜しいとしか思えません。
私もストーンズ詳しくないし、特に好きでもないんですけど、‘時代’とか‘人間’を感じられそうな映画のようで、そして何より、かいろさんにそんなタメ息つかせるような内容とブライアン・ジョーンズの生き様にすごく興味が湧きました。DVDになってからなのは確実ですが、いつか是非観たいです。

しかし、「好きなのに大事にしない」って、なんかイニスを連想してしまいました。関係ないことでごめんなさい。

投稿: 沙斗魔 | 2006年8月19日 (土) 16時32分

沙斗魔さん、こんにちは!コメントありがとうございます!
わたしは頑張ってないですけど、扇風機ジャックはものすごく回ってくれておりますよ~。ぴょこん太の出番は、相変わらずありません・・・。

さてさて、『ブライアン~』ですが、沙斗魔さんの仰るとおり、

>‘時代’とか‘人間’を感じられそうな映画

です!あんまり話題になっていないし万人受けする映画では絶対ないと思いますが、ご覧になっていただけると嬉しいです!そしてこれまた沙斗魔さんのご指摘どおり、

>しかし、「好きなのに大事にしない」って、なんかイニスを連想してしまいました。

わたしもそう思ってしまったのでございます~。ここにもイニスが~、BBMが~、と、帰りながらなんともいえない気分になりました。

そしてわたしも若い人が早くに亡くなってしまうのは、とても嫌です。でも本当に今もミュージシャンの方なんかは若くして・・・というパターンが多いようですね。勿体ないことです。ふう。
それではこの辺で。ありがとうございました!

投稿: かいろ | 2006年8月19日 (土) 18時40分

かいろさん、お久しぶりです。
拙宅にコメントありがとうございました、かいろさんがこの映画の感想を書かれていたことは意識してましたが、見てから読もうとガマンしてたんですよ。
TBの代わりにこちらを記事に追記しておきましたのでよろしくお願いします。しかし幸福とは退屈、だなんて、ブライアンだから許される台詞というか。凡人は幸福を求めて汲々とするものですよね。

ブライアンの死の真相は藪の中、ということでしょうね。謎解き映画ではないので、どう解釈しても構わないでしょう。
それより、モロッコで現地の音楽を聴いていた姿に「黒くぬれ」でシタールを嬉しそうに弾いてた姿を思い出しました、色んな音楽に興味があったのでしょう。空のプールのシーンも良かったです。

ブライアンの家もすてきでしたよね、「ヘンゼルとグレーテル」の家のようだと監督が言ってましたが、お庭の美しさには、ブライアンの生き方に対してのものとは別のため息が出ました。あのお庭に囲まれて平和に暮らせるような枠に収まれない人だったんですよね。

投稿: びあんこ | 2007年5月15日 (火) 09時30分

びあんこさん、こんにちは!コメントありがとうございます!
はい、本当に‘ブライアンだから許される台詞’です・・・。幸福なままでいたいわけじゃなかったのなら、彼はどういう人生を望んでいたのだろう?なんて考えてしまいます。好きな音楽をやって生きていける状態にありながら、それでは満足できなかったんですよね・・・。初めての楽器を前にしてあんなにキラキラ目を輝かせてたのに。いや、そもそも‘満足する’ということ自体が、彼の生き様にはそぐわないものだったのかも。うう、書いててよくわからなくなってきましたが。
そして残念ながら、ブライアンの家と庭、あまり覚えていないのです~。今観たら隅々までチェックしそうですけども。そんなに綺麗なお庭だったのですか・・・。再見したくなってきてしまいましたー。
それではこの辺で。ありがとうございました!

投稿: かいろ | 2007年5月16日 (水) 21時47分

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