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2006年7月 6日 (木)

ブロークバック マウンテン:このせりふが好きなんです

Brokeback Mountain: Story to Screenplay Book Brokeback Mountain: Story to Screenplay

著者:Annie Proulx,Larry McMurtry,Diana Ossana
販売元:Scribner Paperback Fiction
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最近の映画の中では際立ってせりふが少なく、‘静けさ・沈黙’がせりふと同じかそれ以上の役割を持っているBBMという映画。
以前同僚が『恋愛小説家』という映画のことを「‘I love you.’という言葉を使わないでいかに‘I love you.’という気持ちを伝えるかを描いている作品」と言っていて、うわあ~その通りだ~とその人のことをむちゃくちゃ見直してしまいました。最近のラブストーリーでも、そういえばあんまり‘I love you.’というせりふを聞かなくなった気がするような。観客の目(耳?)が肥えてきて、単に‘I love you.’と言わせるだけではみんな納得しないのかもしれません(わたしもそう)。
しかしBBMはそういうこととは関係なく、時代とか土地柄とか生い立ちとかその他諸々の事情のせいで、‘I love you.’と簡単には言えない(言うことが許されない)人たちを描いた映画なので、その分かりやすい言葉が出てこないのは当然。そしてそのおかげで(と言うのはおかしいかもしれませんが)、‘I love you.’に代わる、それ以上に素敵なせりふが随所に盛り込まれていると感じられます。
という訳で、明日は七夕でもあることですし(?)、わたしが勝手に愛を感じてしまう・あるいは印象的な・BBMのせりふたちです(当然ネタばれ・しかもまた長ーくなります)。

Jack: Friend, that's more words
          than you've spoken in the past two weeks.
Eniss: Well, it's the most I've spoken in a year.

(2週間目にして初めてイニスが自分のことを話してくれて、喜びを隠せないジャック。イニス自身も、ジャックに話せたことが嬉しいという表情を浮かべていて、それを見たわたしも嬉しくなりました。)

Jack: Time to get goin', cowboy.

(投げ縄!!!投げ縄につきます~。)

Lureen: You don't think I'm too fast, do you? 
              Maybe we should put the brakes on.
Jack: It's your call. Fast or slow,
        I just like the direction you're going
.

(突っ走りすぎた?ととても不安げに尋ねるラリーンに、ジャックは笑みを浮かべてこう答える。馬に乗る彼女にぴったりの言い回しだなあと思います。ジャックの答えに安心してもっと大胆になるラリーンが可愛かった。そんなラリーンを見てあせるジャックもさらに可愛かった~。このジャックのせりふでラリーンは彼に本気で恋をしたのではないかなあ。)

Jack: Anything interesting up there in heaven?
Eniss: I was just sending up a prayer of thanks.
Jack: What?
Eniss: For you forgettin' to bring that harmonica.
           I'm enjoyin' the peace and quiet.
Jack: ...You know , it could be this way.
          Just like this, always.

(久しぶりに会えて、やっと山の中で本当にふたりきりになれて、リラックスしているイニス。そんなイニスを嬉しそうに見つめるジャック。・・・でも。)

Eniss: If you can't fix it, Jack... you gotta stand it.

(・・・やりきれません。)

Jack: Whoa, son, there you go.
          No hands ! It's all yours, Bobby. It's all yours.

(ジャックはやっぱり息子のことを愛していたんだなあと実感できるせりふ。‘お父さん’ジャックの笑顔がとても好きでした。)

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Alma Jr.: Daddy, tell about when you rode broncs
               in the rodeo.
Eniss: Short story, honey.
           Only 'bout three seconds I was on the blonc,
           an' the next thing I knew I was flyin' through the air.
           I was'nt no angel like you and Jenny,
           and did'nt have no wings.
           And that's the story of my saddle blonc career.

(この部分のト書きが‘娘たちは父親を愛していて、彼の話にうっとり聞き入っている’となっていて、なんだか安心。)

Jack: Tell you what...truth is, sometimes I miss you so bad
         I can hardlly stand it....

          そして、
Jack:   I wish I knew how to quit you.
    
と、このせりふを含むふたりの最後の会話

(このふたつはまさに‘I love you.’以上の意味が込められたせりふ。外側から観ている・聞いているわたしたちにはそのことが伝わったのに、ジャックの気持ちがどれだけのものなのかを一番知らなければならなかったイニス本人は気付けなかったのが今さらながら悲しい。
そして、言い争いの末最後にはただジャックにしがみつくことしか出来なかったイニス。イニスを詰りながら、泣き出した彼を見ると抱きしめずにはいられないジャック。・・・この場面を見るといつも、誰でもいいから、お願いだからこのふたりをなんとか幸せにしてあげて、と思ってしまうのです。)

Eniss: I'm sorry.
          Was probably no fan anyway, was I ?
Cassie: Oh, Eniss...girls don't fall in love with fan !

(‘面白かろうが面白くなかろうがそんなの関係ない’と言う彼女はきっとまだイニスを愛している。キャシーとイニスがどれくらいの間一緒にいたのかはわかりませんが、イニスとジャックの間に入り込むのはさぞかししんどいことだったでしょう。)

Jack's mother: You come back and see us again.

(お母さんのこのときの表情から本当にイニスがまた来てくれるよう願っていることがわかる。イニス、ちゃんと会いに行ってくれたかなあ。)

ラスト間際のイニスとアルマJr.の会話

(以前と変わらずにイニスの事を気にかけているアルマJr.と、娘と一緒にいるととても穏やかなイニス。もっと家具を置いたら?と言うアルマJr.にイニスは答えます。‘If you don't get nothin', you don't need nothin'.’無駄なものはいらないってことでしょうか? ‘If you can't fix it,~’といい、イニスの人生観ってなんだか淋しい。もっと欲張りな人はたくさんいるのに。
そして、結婚式に行くよとイニスが言ったときのアルマJr.の嬉しそうな表情。でもこの部分のト書きを読むと切ないです。‘Eniss smiles back at his luminous daughter. But his smile can't hide his regret and longing, for one thing that he can't have. That he will never have.’イニスは幸せに輝くような娘に微笑み返した。しかしその笑みの陰には彼の後悔、彼が求めてやまないものがあった。叶えられなかった、そしてこれからも叶えられることのない望みが。)

Eniss: Jack, I swear....

(ジャックへの‘I love you.’という気持ちを認めた後でもその言葉は使わないイニス。どうにもできないなら耐えるしかない、という彼の精一杯の言葉がこれだったのかなあ。彼が何を‘誓った’のか、わたしたちは想像するしかない。イニス本人も分かっていないのかもしれません。でもこれも‘I love you.’を超えた、映画史に残るせりふだと思います。)

でも、これだけ書いてきてなんなのですが。以前ぽちさんがコメントでおっしゃっていたように、せりふのない場面も雄弁なのがこの映画(下の画像のシーンのように)。観るたびにわたしが必ず泣いてしまうラリーンとイニスの電話のシーンも、せりふだけではあまり訴えてくるものがありません。やっぱり名場面というのはせりふだけではなく俳優さんたちの表情やしぐさなど全部が揃って初めて成立するものなんだなあと思います。・・・以上、またもや長くなってしまいましたが最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。

あと、蛇足。今回改めて脚本を見てみて、アルマ関連のせりふや場面の中にはわたしが好きなものはありませんでした・・・。なんでわたしはアルマをここまで冷たい目でみてしまうのでしょう???

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コメント

きゃー、かいろさんっ
ジャックの「that's more words than you've spoken in the past two weeks.」をとりあげてくれてありがとうございますっ。この台詞とこの時のジャックの表情、大好きなんです。

前に一番印象的な場面に台詞が無いって申し上げたんですが、どうも、台詞があると字幕にフォーカスしてしまう視野角の狭さにモンダイがあるようです(笑) ですが、このシーンはジャックの表情と台詞が一緒になりました。直前のジャックはイニスの話を聞いているというよりは、こんなに雄弁になったイニスを初めて見た、という表情をしてるんですけど、イニスの「What?」のあとこの台詞を言う瞬間のジャックの優しい表情がすごく好きなんです。イニスの表情も素直でとってもいいですよね。

>You know , it could be this way. Just like this, always

この台詞を言うジャックの声が大好きです。ジャックのうれしさがちょっとハイトーンな声に表れてたような気がします。

かいろさんの今回の記事の最後にあったジャック。私にとって全編通していちばん印象的な表情かもしれません。この画像を貼ってくださってありがとうございます。

>‘I love you.’という言葉を使わないでいかに(略)、‘I love you.’に代わる、それ以上に素敵なせりふが随所に盛り込まれていると感じられます。

すいません、略し過ぎちゃいましたが、このくだり、ほんとにうんうんとうなずいてしまいました。

アルマに感情移入する場面は、私も再会シーンくらいです。あの、イニスがアルマにジャックを紹介するシーンのアップの表情ですね。
彼女の描かれ方って「イニスとジャックを取り巻く世間一般の代表」な気がするんですよ。ラリーンやキャシーはそれぞれジャックやイニス個人に踏み込んだ関係を描いてると思うんですけど。アルマがイニスに愛情を感じていたのはたぶんイニスがジャックと出会う前の幼ななじみ段階から雪遊びのあたりまでで(だから映画本編には愛情部分があんまり出てこない)、その後はイニスの疲れた生活のアイコンがアルマ・・・ってひどすぎますかね??

投稿: ぽち | 2006年7月 7日 (金) 01時28分

かいろさん、こんにちは。こちらからもTBさせていただきました、よろしくお願いします。
かいろさん版名セリフ考、力作ですね。読んでいて映画の場面が甦ってきて、涙、涙です。
ほんとに、なんて素晴らしい映画なんでしょうね・・。号泣。
アルマを冷たい目で見てしまうのね。そうか~。私は4年後の再会でイニスが朝帰りして、そのままキャンプに出て行く後のアルマには胸が詰まります。Jr.を抱っこして泣いてるとこ。
あの時は、アルマも相当辛かったと思いますよ・・。確かに、好きなセリフは無いですけど(笑)
というわけで、また遊びに来ますね。ではでは。

投稿: 真紅 | 2006年7月 7日 (金) 09時49分

こんにちは、かいろさん。spring-nと申します。
いつも楽しみに読ませていただいています。

朝っぱらからBBMのDVD(海外版)をパソコンで見た後、こちらにおじゃましたらこの素敵な台詞の数々。いいですね~。
2週間目にしてやっとまともに口をきいたな、というときのあのジャックの目!イニスがしゃべり出すのを聞いている時の、嬉しそうな口元!台詞と画像とジェイクの声が混ざって、何度見てもツボ!です。
この映画は、本当に心に残る台詞ばかりですね。(自分の思いいれが強すぎるせいでしょうか?(#^.^#))
ラリーンとジャック、キャシーとイニスの会話も好きです。ラリーンの電話のシーンは原作とは違って、彼女のやさしさが出ていますよね。アンの演技も秀逸で、気が強くて素直に泣けない彼女の気持ちがよくわかって、こちらも涙してしまいます。
(で、私もアルマの台詞には思い入れがないですね~。ってかDVDでも早送りしちゃってるし。(^_^;))

しかし、何と言っても最後の湖畔のジャックブチ切れシーンの台詞ですね。私英語力がないので、何度DVDで見直しても単語さえも聞き取れないのですが、なんとしてもこの台詞を全部理解したい、と。そこで思い出したのが中学の英語の授業でやった“暗唱”です(笑)。教科書を丸覚えして話す、というやつなんですが、せっかく脚本も買ったことだし二人の台詞を丸暗記してしまおうかと。いや、そんなことして何になる?って気もしますが....(笑)。
I wish I knew how to quit you.

この場面を見るといつも、誰でもいいから、お願いだからこのふたりをなんとか幸せにしてあげて、と思ってしまうのです。

まさに私もそうです。でも、台詞まで覚えたら、なんでも無い時に思い出して涙ぐんでしまいそうです。(不気味なおばはんになってしまいます。)

I love you. と一度も言わずして、いえ、だからこそますます切なさが増すのですね。ジャック亡き後、トレーラーで一人イニスは(言えなかった)‘I love you.’をつぶやくことがあるのかしら? と考えてしまいます。
ひゅ~~~....(ジャックの風の音)

それではまたおじゃまします。(長くてもどこまでもお付き合いいたしますわ。)

投稿: spring-n | 2006年7月 7日 (金) 11時24分

ぽちさん、真紅さん、こんにちは!コメントありがとうございます!まとめレスさせてくださいませ。

・ぽちさん
力作コメントありがとうございます!今回も全面的にぽちさんのご意見に賛成でございます~。

このバックミラーを見つめるジャックは予告のときからとても印象的だったのですが、本編で前後のつながりが分かってさらにぐぐっと・・・。バックミラーに映るイニスの姿といい、これはどれだけ文章を費やして表現しようとしても、やっぱり映像には勝てない分野?ですよね。

>こんなに雄弁になったイニスを初めて見た、という表情をしてるんですけど、イニスの「What?」のあとこの台詞を言う瞬間のジャックの優しい表情がすごく好きなんです。

わたしもです!この場面を観ているといつのまにかわたしの顔もほころんでしまいます(にやけているという言い方もアリかも?)。そして、

>ジャックの声が大好きです。ジャックのうれしさがちょっとハイトーンな声に表れてたような気がします。

これまたわたしもです!!このときの声も、せりふの調子?も、ほんとに大好き!でもそんなジャックにイニスはあんなことしか言えない・・・。そしてイニスの頬をそっと撫でるジャック・・・うあ~~~~っっっ。バタッ(←身悶えしたわたしが倒れた音)。

>彼女の描かれ方って「イニスとジャックを取り巻く世間一般の代表」な気がするんですよ。

この部分から最後まで、ぽちさんのご意見にうなずきまくりです。アルマ(とイニス)の恋愛時代は描かれていませんもんね・・・。その部分が少しでも描かれていたらアルマに対する見方もちょっと変わってくるのでしょうか?うーむ。
それではこの辺で。ありがとうございました!

・真紅さん
コメント&TBありがとうございました!

>アルマを冷たい目で見てしまうのね。そうか~。私は4年後の再会でイニスが朝帰りして、そのままキャンプに出て行く後のアルマには胸が詰まります。Jr.を抱っこして泣いてるとこ。

そうなんですよね・・・。わたしもこの場面では本当に辛くなってしまうのですが、でも好きな場面かというとそうではないのでございます。ラリーンとイニスの電話は、それ以上に辛いけど大好きなシーンなのですが。やっぱりどこかでアルマに対して何か思うところがあるのでしょうか、わたし。ミシェルに対する嫉妬?いやいやそれは・・・ない・・・はず。なんちゃって。

それにしてももう一回スクリーンで彼らの表情を観たいですね・・・。アップでジャックの笑顔を観たいです。
それではこの辺で。ありがとうございました!

投稿: かいろ | 2006年7月 7日 (金) 11時38分

spring-nさん、こんにちは、はじめまして!
いろいろなところで深いコメントを書かれているのを、いつもうわ~っと思いながら拝見させていただいておりました~。コメントありがとうございます、嬉しいです!!!

>2週間目にしてやっとまともに口をきいたな、というときのあのジャックの目!イニスがしゃべり出すのを聞いている時の、嬉しそうな口元!台詞と画像とジェイクの声が混ざって、何度見てもツボ!です。

わたしもツボ!なのです~。ジェイクくんの表情も声も、すごくいいですよね。ヒースの声も低くていいのですが。
そして“Sometimes I miss you so bad~”のときの、躊躇いながら、でも本当の気持ちを何とかして伝えたいというジャックの声・表情・その他全部がもう・・・バタッ(ここでも身悶えして倒れてしまうわたしです)。

>この映画は、本当に心に残る台詞ばかりですね。(自分の思いいれが強すぎるせいでしょうか?(#^.^#))

みなさんもわたしも、本当にこの映画に対する思いいれは強ーいのだと思いますが、それはきっと‘心に残る名場面・名台詞’がたくさんあるからなんです!と言ってみたり。これじゃ理由になっていませんでしょうか・・・?

>ラリーンの電話のシーンは原作とは違って、彼女のやさしさが出ていますよね。アンの演技も秀逸で、気が強くて素直に泣けない彼女の気持ちがよくわかって、こちらも涙してしまいます。

はい・・・、全くその通りなのでございます・・・。毎回涙してしまうのです・・・。

>二人の台詞を丸暗記してしまおうかと。でも、台詞まで覚えたら、なんでも無い時に思い出して涙ぐんでしまいそうです。(不気味なおばはんになってしまいます。)

わたしも覚えたいです!(自信はあまりないのですが。)spring-nさん、風の音を聞きながらイニスの代わりに“I love you.”を呟き、是非ご一緒に不気味になりましょう~!!!そして、DVDを買ったらわたしもアルマのシーンは早送りしてしまいそうです・・・。
それではこの辺で。ありがとうございました!

投稿: かいろ | 2006年7月 7日 (金) 12時08分

かいろさん、おはようございます。
先日はしょうもない長いコメント差し上げてしまい大変失礼いたしました。ツボ×二乗な記事書いてくださったので思わず全力投球してしまいました。
なのに、またまたこんな心憎い記事を・・・。今日も長くなりそうなので、先に謝っておいたほうがいいような気がします。ご迷惑かもしれませんが、何卒よろしくお願いいたします。

>2週間目にして初めてイニスが自分のことを話してくれて、喜びを隠せないジャック。イニス自身もジャックに話せたことが嬉しいという表情を浮かべていて、それを見た私も嬉しくなりました。

そうなんですよ!この時のイニスと

>久しぶりに会えて、やっと山の中で本当にふたりきりになれて、リラックスしてるイニス。そんなイニスを嬉しそうに見つめるジャック。

この時のイニスってすごい可愛いんですよね。イニスに批判的な私もこの2つの場面の表情にはジャックと一緒に幸せな気分になってしまします。なのに、なのに。ですよね~・・・。
ちなみに、上記2週間目でやっとまともな会話、の時のジャックの表情(特に目つき)の色っぽさときたら、私がイニスだったら平然と「なんだよ」なんか言えないです。というか「そうですか、襲ってほしいとこうおっしゃるわけですね。ではいただきます♪」てな気分になって当然と思いませんか?もしかしてイニスもちらとそんな気持ちになったかしら。だったら嬉しいんですけど。すみません。台詞と全然関係ないことでした。どうしても場面を思い出すとジャックのあの目この顔が浮かんでしまいます。

>ジャックの答えに安心してもっと大胆になるラリーンが可愛かった。そんなラリーンを見てあせるジャックもさらに可愛かった~。

私もこの場面で一気にラリーンが大好きになったのは

>You don't think I'm too fast,do you? Maybe we should put the brakes on.

の台詞ゆえ、と思っています。そしてそこで「何を今更」などと言わずに

>It's your call.Fast or slow,I just like direction you're going

と言ってくれるジャックの優しさにラリーンは惚れたんじゃないかと思います。もちろんジャックのうろたえぶりの愛らしさは言うに及ばず、ですよね。

>Jack:Tell you what..truth is, sometimes I miss you so bad I can hardly stand it....
そして
>Jack:I wish I knew how to quit you.
このふたつはまさに‘I Love you.’以上の意味が込められたせりふ。外側から観ている・聞いているわたしたちにはそのことが伝わったのに、ジャックの気持ちがどれだけのものなのかを一番知らなければならなかったイニス本人は気付けなかったのが今さらながら悲しい。

私、特に‘Tell you what..truth is, sometimes I miss you so bad I can hardly stand it....’の場面では泣けて泣けて思い出すたび胸が締め付けられるようです。日本の遭難者達は「BBM愛好者世界選手権大会」があったら「登場人物心理解釈及び理解度部門」も含め総合でぶっちぎりの優勝だと思いませんか?

>イニスは幸せに輝くような娘に微笑み返した。しかし、その笑みの陰にには彼の後悔、彼が求めてやまないものがあった。叶えられなかった、そしてこれからも叶えられることのない望みが

かいろさん、ありがとうございます。こうして書いていただくと、ちょっとはイニスのことも可哀相かなあと思える気がします。でもやっぱり、遅すぎ!なのが辛いというか憎いというか、です。

>せりふのない場面も雄弁なのがこの映画(下の画像のシーンのように)

ジャックが車で走り去るこの別れ際の場面で、イニスが背を向ける一瞬前にジャックがイニスを見る表情は「このまま別れたくない、何とか言ってほしい、せめて来年またここで会う約束だけでも」な気持ちが凝縮されていて、この顔まともに見ていたらイニスだって絶対あのまま歩いかなかったはず、と思いたいです。

>観るたびにわたしが必ず泣いてしまうラリーンとイニスの電話のシーンも、せりふだけではあまり訴えてくるものがありません。

私はこの場面でイニスが‘We herded sheep up on Brokeback one summer’と言うところで、アギーレの事務所の前で2人が初めて会ったあの時から本当に長い長い年月が経ってしまったんだなあ、20年近くの間には各々の人生にはあんなこともあったこんなこともあった、それはお互い知りようもなかった日常の積み重ねで離れていた時間の方が圧倒的に長かったけど、それでも2人はずっとずっと一緒にいたんだなあと思って、取り返しのつかないような行き場のない悲しみに囚われてしまうのです。

アルマの台詞は「釣り糸にメモ書きつけた」発言には頭いい~!と思ってしまいました。

またもやとんでもなく長くなってしまいました。申し訳ありません。「もう来ないで」なんておっしゃらないでくださいね!

また次回のBBM記事楽しみにしております。長ければ長いほど嬉しいです。その分またコメントも長くなってしまうかもしれず、その際は平にご容赦くださいませ。

投稿: 沙斗魔 | 2006年7月 9日 (日) 10時36分

沙斗魔さん、こんにちは!お待ちいたしておりました~。今回も力作コメントありがとうございます!ううう嬉しいです。

>この時のイニスってすごい可愛いんですよね。

はい、そうなんです!ジャックのあの色っぽい(!)笑顔で見つめられちゃって、“What?”と返す時のイニスのちょっとふてくされ+照れくささが混じったようなあの表情!そしてハーモニカのくだりの本当に穏やかな笑顔!娘たち以外でイニスにこんな顔をさせることができたのはジャックだけだったのに~。

>場面を思い出すとジャックのあの目この顔が浮かんでしまします。

はい、またもやそうなんです!今回記事を書いていて、‘好きなせりふ’だけのつもりがいつの間にか‘好きな場面’まで手を拡げそうになっていました。せりふを挙げると必ずその時の彼らの表情やしぐさまで浮かんできてしまうんですよね・・・。重病だからでしょうか?いーえ、この映画の魔力のせいです!たぶん。

>日本の遭難者達は「BBM愛好者世界選手権大会」があったら「登場人物心理解釈及び理解度部門」も含め総合でぶっちぎりの優勝だと思いませんか?

はい、またまたそのとおりでございます!あの時のジャックの心を理解できていなかったのは、きっとイニス本人だけでしょう。4年後の再会の後、ルンルン気分で釣りに行く夫を真っ赤な目で見つめているアルマの心中も(わたしたち観客は全員気付いてたのに)、イニスは直視しようとしませんでしたよね。全くイニスって困った奴です・・・。

>ジャックが車で走り去るこの別れ際の場面で、イニスが背を向ける一瞬前にジャックがイニスを見る表情は「このまま別れたくない、何とか言ってほしい、せめて来年またここで会う約束だけでも」な気持ちが凝縮されていて、この顔まともに見ていたらイニスだって絶対あのまま歩いかなかったはず、と思いたいです。

>取り返しのつかないような行き場のない悲しみに囚われてしまうのです。


沙斗魔さん・・・。全くもって同感です・・・。イニスは見なきゃいけなかったものからことごとく目を背けていたんでしょうか。そういうふうにしか生きられないと思っていたのかなあ。その結果がああで、もう、何度考えても、‘どうにかできなかったのかなあ、どうにかしてあげたかったなあ’という言葉しかでてきません・・・。

うわ~、思わず長いお返事を書いてしまいました。沙斗魔さん、‘もう来ないで’なんてそんな滅相もありません!!!またいらしてくださいね。ありがとうございました!

投稿: かいろ | 2006年7月 9日 (日) 20時41分

かいろさん、こんにちは。
前からこの記事にコメントしたいと思いつつ、不調で思うに任せず悔しい思いをしておりました。
復調しても、どこからどうコメントしていいか迷っておりますが。

アルマ関連…、私も共感できるものがありません。イニス、ジャックに共感できなくてもアルマには出来る方も多いようですから、そちらにお任せでいいんでしょうけど。

I wish I knew how to quit you.は、最初にUS版予告を見て胸がずきーんとなったこともあり一番好きな台詞ということになるのでしょうか。切なさも∞ですけど。
最近、I love youをあまり映画でも言わないのは確かかもしれません。陳腐になってしまったのでしょうかね。でも、この言葉がないと愛がないと思っている人にはBBMには理解不能な映画なのかもしれませんね。

投稿: びあんこ | 2006年7月16日 (日) 18時44分

びあんこさん、こんにちは!コメントありがとうございます!
お元気になられてきているようで安心しておりますが、なんといってもまだ7月中旬。先は長いです・・・、くれぐれもご無理なさらないようお気をつけくださいませ。

>イニス、ジャックに共感できなくてもアルマには出来る方も多いようですから

アルマも犠牲者なのだということはわたしも理解しているつもりなのです・・・。でも、釣竿の先に‘愛してる’ってメモをつけたのにあなたは読んでいなかった!(釣りなんてしてなかった!)というせりふも、愛ゆえなんだろうけどなんか違う・・・と思ってしまうのでした。

>I wish I knew how to quit you.

‘絶対不可能なことを仮定してみる’という、高校の頃に習った英文法、こんなところでこんな形で納得することになるなんて。こんなせりふでもイニスには届かなかったとは・・・。もう、もう~。

>この言葉がないと愛がないと思っている人にはBBMには理解不能な映画なのかもしれませんね。

そうですね・・・。真剣に観ていないと分からないような、言葉じゃないところで“I love you.”と言わせる場面のオンパレードですし・・・。でも、理解している人のほうが遥かに多いのではないかなあと勝手に思っているわたしです。そしてそれはたぶん正しいはず!(と、思いたいなあ。)
それではこの辺で。ありがとうございました!

投稿: かいろ | 2006年7月16日 (日) 20時43分

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