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2006年7月

2006年7月31日 (月)

プルートで朝食を

Pluto_0720_3_1映画をよく観るようになってけっこう経つのに、このごろようやく発見したこと(ほんとに遅すぎて自分でもあきれてしまいますが)。何かを心から求めて、あるいは何かを捨てたくて、でも捨てられなくてもがいている・苦闘している(ジェイクくん言うところの‘struggle’ですね)人々を描いた物語のなんと多いことか。だからいろいろな映画にBBMを見つけてしまうんだなあと勝手に納得しているわたしです。
この『プルートで朝食を』の主人公も、その中のひとり(でも彼女は「苦闘?そんな大変そうな言葉好きじゃないわ~」とか言いそうだけど)。かなり、相当、とってもおすすめの映画です。まだ公開中(だと思う)なので、興味がわいた方はネタばれ部分は読まずに映画館へどうぞ!

アイルランドの小さな町で、両親を知らずに育ったパトリック。幼い頃から化粧品やドレスといったものが大好きで女装癖のある彼は、養子先の家族や学校の先生など、周囲の人から変わり者扱いされていました。でも本人はあまり気にせず、空想の聖人‘キトゥン’に自分をなぞらえ、本当のお母さんに再会できることを夢見る毎日を送っています。
しかしある日、悲劇が起こります。それをきっかけに、住み慣れてはいるけれど居心地のよくない故郷を離れ、大都会ロンドンへとお母さんを探す旅にでるパトリック=キトゥン。でも、女装して一見気ままに振舞っているキトゥンを理解しようとしない人はやっぱりいて、彼(いや、彼女か)を傷つけます。そしてアイルランドという国に生まれた以上、彼女も政治的な問題と無関係でいられるわけがなく(その辺の事情は勉強不足でわたしはよく知らないのですが)、キトゥンや周りの人の人生にもそれは影を落としてくるのです。
果たしてキトゥンはお母さんを見つけ出すことができるのでしょうか?そして、彼女を本当に愛してくれる人は、いるのでしょうか?

以下ネタばれ。

Pluto_0720_2 キトゥンの旅は過酷です。愛した人に裏切られたり利用されたり、テロリストに間違われたり殺されかけたり。たくさんの不幸がキトゥンの身に降りかかります。しかし、彼女を助けてくれる人が、いつも必ず現れる(尋問中にキトゥンを散々痛めつけた刑事までもが彼女の心配をするようになるのです)。‘神は、彼にほんの少しの試練を与えた’というキャッチコピーはほんとにそのとおりなのですが、試練を与えるだけ与えておいて後はほったらかし、というわけでもないような気がします。
ときどき空想に逃げ込むことはあるけれど、どんなにひどいことをされてもどんなに悲惨な状況に陥っても、ヒステリックになったり相手に攻撃的になったり反対に自虐的になったりすることもなく、起こったことをただそのまま受け入れていけるキトゥン(なにかにつけ文句たらたらのわたしからすると、彼女はまるで本物の聖人に見える・・・)。そんな彼女だからピンチに陥ったときも誰かが必ず助けてくれたのではないかなあ、と。彼女のお茶目でチャーミングなところはもちろん大好き。でもそれ以上に、こういったキトゥンの人間離れした美徳のようなものにわたしは(そしてきっとキトゥンの周りの人たちも)とても惹かれました。試練を与えると共に、この‘美徳’の種を、神様はちゃんとキトゥンの中に蒔いていてくれた。そして彼女はその種を自分ひとりで立派に育てていったんじゃないかな・・・と、わたしは思います。キトゥン、すごいよ!

しかし。その聖人のような彼女も、愛情と居場所を必死になって探しているひとりの女の子。幼い頃の彼女をよく知る神父は、キトゥンのことを‘よく笑う子供だった’と表現しました。そして彼は、彼女にはそうするしか術がなかったのだということにも気が付いていました。この神父さんが物語の鍵を握っているのですが、ここでは書きません。そしてキトゥンが旅の末に何を失い、何を手に入れたのか、それも書きません。だってもったいないもーん(『松子』の時もおんなじことを書きましたねえ、わたし)。

そして最後に。この映画を観て、‘苦闘する人々’だけではなく、言わなければならないことを言わなければならない時に言えない人々もやっぱりたくさんいるんだなあということも発見しました。前述の神父のせりふ(確かこんなかんじだった);

「簡単なことほどかえって言えないときがあるんだよ」

こんな悩みは神父さんなんかには無縁のものなんだろうと思っていたけど、そっか、おんなじなのか。しかしここで安心してたらいけないのです。手遅れにならないうちにちゃんと言葉にして言わないと(ねー、イニスくん)。とりあえず周りの人に「ありがとう」と言ってみようかな、などとあまり映画の本筋には関係ないことを決意したわたしでした。じゃあまずこの人たちに。監督さん、キリアンマーフィー氏、こんなハッピーな映画を見せてくれて、ありがとう!

Pluto_0720_1 『プルートで朝食を』
BREAKFAST ON PLUTO
(2005 イギリス)

‘神は、彼にほんの少しの試練を与えた’

ほんの少し、というにはちょっとへヴィーすぎる気がしないでもないけど、この勝負(?)キトゥンの勝ち!ワーイ。

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2006年7月30日 (日)

となりのトトロ

となりのトトロ DVD となりのトトロ

販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2001/09/28
Amazon.co.jpで詳細を確認する

本格的な夏がやって参りました。夏はトトロの季節です(いや、トトロはいつでもいるんだろうけど)。金曜日に同僚と「今日はトトロがあるね~」と話しながら帰ったのですが、電車の中でも同じ会話をしている人たちがいて思わず聞き耳を立ててしまいました。
何年か前にやっぱり金曜ロードショーで『トトロ』を観ていたとき、お向かいの家からもサツキちゃんやメイちゃんの声が聞こえてきてすごく嬉しくなったし。それにうちの母によると(いつだったかは覚えていないそうですが)、‘あなたの好きな日本の映画はなんですか?’というアンケートで『トトロ』が『七人の侍』を押さえて堂々の一位になっていたそうで、母はかなり本気の様子で「この映画を一位にするなんて日本人もまだまだ捨てたもんじゃないね~」と申しておりました。大げさな気もしないでもないけれど、うんそうかも、とも思ったり。
しかしなんでみんなトトロが好きなのでしょう?うーむ・・・それは、それは、好きだから!

毎度毎度同じことばっかり書いていて芸がないけれど、この映画も登場人物(妖怪?含む)みーんな魅力的。なにげない会話にも愛が溢れています。

メイ 「おかあさん、メイのおふとんでいっしょにねたいって」
サツキ 「あれ?メイは大きくなったからひとりで寝るんじゃなかったの?」
メイ 「おかあさんはいいの」

メイ 「おとうさん、メイおねえさんみたい?」
おとうさん 「うん。おべんとさげてどちらへ?」
メイ 「ちょっとそこまで」

うーん、これだけじゃないなあ。まだまだ他にもあるはず~。

_0730_2_3 

ちなみにサツキちゃんたちのお父さんは我が家の女性陣共通の‘理想の男性’です。わたしもトトロに会いたい、会える?と聞くサツキちゃんに「そうだね、運が良ければね」と返し、まいた木の実の芽がまだ出ない、いつ出るの?という問いには「トトロなら知っているんだろうけどね」と答えるお父さん。こんな人滅多にいないよねぇぇぇぇ、すてきぃぃぃぃ、と観るたびに同じところで盛り上がるのも仕方ないほどいい男(?ちょっと違う?)ですよねえ。

そしてまたもや懲りずに同じことを書きますが、会話じゃないところにももりもりっと愛を感じてしまうのでした。
髪をといてくれるお母さんの「あなたは母さん似だから」という言葉に安心して目を閉じるサツキちゃん。お姉ちゃんのスカートに泣きながらしがみつくメイちゃん。傘を無理矢理ふたりに貸して、走って帰る(走るだけでは物足りなくて飛び跳ねちゃう)カンちゃん。どうしたらいいかわからないの!と言って泣きじゃくるサツキちゃんの体をそっと掴むトトロ。‘とうもころし’に書かれたメッセージ。そして果てはトトロの吹くオカリナ?の音色にも、ネコバスの行き先、七国山病院の「院」という文字が逆になっているのを見ても‘ああ~、愛だわ~’と思ってしまうわたしはかなりおかしいのかもしれません、うしゃしゃしゃしゃ(←やけくそ)。
それにしても最初はおたがいベーッなんてしていたふたりが、最後には「サーツキー!」「カンちゃーん!」などと呼び合っているのを見るとなんとも嬉しいようなうらやましいような。カンちゃん、やりますねえ。このふたりは『千と千尋の~』の千尋とハクの原型なのかな?とちょっと思ったのでした。なんか似ているような気がするのです。カンちゃんは‘美少年’の設定ではないけど、けっこう頼りになるし。さて、どうでしょう?

_0509_3_2 

何度も観たけど、これからもやっぱり何度も観たくなるに違いない『となりのトトロ』。金曜ロードショーで‘珠玉の名作’と紹介されていてそう、そうなのよ~とすごく嬉しかったのでした。
そして、メイちゃんがそう言うのなら、とうもころし・おじゃまたくし・がじゃいも・ブッコロリ・バドミトン・チパンジジー(うう、ちょっと苦しくなってきた・・・)でわたしはいっこうに構いません。駄目ですかねえ。

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2006年7月20日 (木)

ブロークバック マウンテン:人生の最も素晴らしい日々

Brokeback_0716_1_4前からよく空や雲を見ていたのですが、パンフレットの松浦美奈氏のエッセイに‘この作品を翻訳しているときはいつも空を見ていた’と書いてあったのを読んで以来、どうも空を眺めるたびにBBMを思い出してしまいます。そしてちょうど今頃の時期、ふたりはブロークバック山にいたんですね。
彼らが山で生活していたとき、空模様はけっこう激しく変化していました。雨が降ったりすごくきれいな夕焼けが見えたり雹が降ったり雪が積もったり。たぶん彼らが一緒にいたのは長くても2ヶ月間ぐらいだったと思うのですが、そんな短期間でこれほどの天気パターン?を体験できるとは。日本の平地に住んでるわたしにはわかりませんが、山の上というのはそんなに天候の移り変わりがすごいものなのでしょうか。
しかしどんな悪天候の連続でも、イニスとジャックにとっては毎日が楽しくて楽しくてしかたがなかったんだろうなあと、黒い雲がもくもくしている空を見上げてふと思ったのでした。

ご飯食べに行ったら会える!その気になったら一日中でも一緒にいられる!羊がめちゃくちゃに入り乱れたって(めんどくさいけど)あんまり大したことじゃない、ハーモニカ吹いてさあ一緒にゆっくり帰ろうよ。

‘もし山を降りたときにふたりが別れてしまわなかったら’というのはもちろんなのですが、わたしは‘最初の契約どおりあと一ヶ月ふたりが一緒にいられたら’とも思ってしまいます。あと一ヶ月あったら、イニスにもジャックがどれだけ大切な存在なのかがわかったかもしれないなあ。それは無理だったとしても、ふたりの結びつきはもっと強くなっていて、その後4年間も離れ離れになることはなかったかもしれません。はあ。

Brokeback_0425_1 それにしても、‘人生の最も素晴らしい日々’(だと決め付けてしまいます)がこんなに早く訪れてしまって(もっと遅い方がいいというわけではないけど)、自分はそのことに気付いていなかったんだと後からじわじわ思い知らされるなんて、辛い。それだけでなく、その素晴らしい日々を再現しようと何年もがんばり続けた結果、やっぱりそれは無理な話だったのだとふたりは悟らざるを得なかったわけで、二重の意味で辛いです。
映画の中で、「豆に飽きた」と言うイニスに食料運搬担当のおじさんは「夏は長いんだぜ」と返していました。本当は‘豆に飽きるには夏はまだ長い’なんですが、このせりふを聞くといつも思います。長くなかったよ、ふたりは気持ちの準備もできないうちにあっという間に別れなきゃならなかったじゃないのさ。もうちょっと一緒にいさせてあげて欲しかったよ・・・。

わたしの中で彼らの物語はフィクションなのにフィクションではなくなってしまっているので、みんなが苦しむことになるほうへなるほうへと物事を進めていく神様って(本当は神様ではなく原作者や脚色の方や監督なのですが)残酷だよなあと思ってしまいます。
ジャックに出会う前にイニスが婚約してしまっていたこと。急に山を降りなければならなくなった結果ふたりが殴り合いの喧嘩をするはめになったこと。そのせいで気まずい雰囲気で別れなければならなくて、(決してそれだけが原因ではないけれど)その後4年間も会えなかったこと。ジャックの結婚があまり幸福なものではなかったこと。4年ぶりにやっと再会できたせいでふたりの気持ちが爆発して、本当に離れられないようになってしまったこと。イニスではなくジャックの方に経済的な余裕をもたせて、ふたりが会い続けることができるようにしてしまったこと。それなのにふたりの関係になにも変化を与えてくれなかったこと。離婚してもしなくても、結局どちらの妻も苦しみ続けなければならなかったこと。そして何より、ジャックを失ってから初めてイニスに自分の気持ちを認めさせたこと。

でも、この残酷だあーと思わされてしまう数々の設定?がなかったら、わたしはこの物語に魅かれなかっただろうなということもわかります。あの山での殴り合いがなかったらイニスは血がついたシャツを脱ぎ捨てることもなく、ジャックがこっそりそのシャツを自分の物にすることもできなかったのだし、そうなるとあのラストシーンは生まれないわけで・・・(しかし改めてこの物語の緻密さというか繊細さというか、には本当に恐れ入ってしまいます。どれだけ作りこんであるんでしょう?)。うう~、じゃあわたしはどうして欲しいのかなあ。

・・・いえいえ、考えるまでもなく、やっぱりBBMはこの終わり方でないといけなかったのですよね。『モーリス』は(ぱっと思いついたのがこれだったのですが)、あの終わり方でなければ、どっちかが死んじゃうとかでは絶対に嫌だったんだけど。何が違うのかなあ、自分でも不思議です。むむ、思い出したらまた『モーリス』も観たくなっちゃった。そしてもちろん早くBBMを再見したーい。
というところで今日はこの辺で。

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2006年7月18日 (火)

暑中お見舞い

暑いですね・・・。梅雨もまだ明けていないのにもう既に夏バテ気分でございます。
毎年「今年の夏が一番きつい~」と思うのですが、もうその言葉を使ってしまいそうです。夏本番になったらなんて言ってるんでしょうか???

みなさまは寒いのと暑いのどちらが嫌ですか?わたしは断然暑いのが苦手です。寒いときは厚着したり動いたりしたらなんとかなりそうですが、暑いときは何やっても無理。というか何もしたくない。何もしなくても暑い。もう駄目だ~、バタン。しかし暑いときでも家のことや仕事やいろいろしなければならないのは辛いですね・・・(わたしは仕事しかしてませんけど。お母さん、いつもありがとうー)。みなさま、お体には本当にお気をつけ下さいませ。
それにしても、すごーく暑い日も寒い日も、雨が土砂降りでも雪が積もっていても、映画館には必ずお客さんがいらっしゃいます。この3連休もむちゃくちゃ盛況だったのですが、それでもみなさんチケット買うのに並んで、席を取るのに並んで(うちは指定席ではないので)、売店に並んで・・・。しかもお客さんが並ぶところはあまり(というよりほとんど)冷房が効いていないので、さぞ暑かったのではないかと思われます。本当に感謝です・・・。わたしたちスタッフはもちろん忙しくてげっそりだったのですが、お客さんも映画観る前にもう疲れ果てていたのではないかと。やっぱり夏ってみんな大変。いえ、冬は冬で大変なのですが。

ところで。わたしは汗かきなので、夏場は本当に辛くて困ります。涼しげに歩いている人を見ると(その人も本当は暑いに違いないのですが)、無意識のうちにものすごくうらやましげ&恨めしげな視線を送っていそうです。ずっと前に‘夏でも涼しげなのがいい女、冬でも暑そうなのがいい男’という文章をどこかで読んだことがあって、毎年「そんなの無理~」と思ってしまいます。
しかし‘冬でも暑そうな’なんて、それはそれでどうだろ・・・。C.ファレルとか?タイプじゃないなあ。(←わたしは好きなんじゃ!という方がいらっしゃったらすみません。)

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でもやっぱり冬でも暑そう、この人。

夏になると水分をたーくさん含んだ果物を食べたくなります。子供の頃は夏の果物と言えばすいかでしたが、ここ何年かはなんといっても桃!桃が食べたくて仕方ありません。がぶっとかぶりついて口の端からじゅぶ~っと果汁をたらしたい・・・と密かに願っているのですが、桃って高いですよねえ。自分の分だけ買うわけにもいかないし、家族の分も買うなら3,4個いる・・・。なのでいつもスーパーでにおいをすは~っと吸い込んで食べた気になっているわたしです。あ、でも一個105円の缶詰は買ってあります。でもでも、やっぱり本物が食べたいなあ・・・。

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いや~ん、おいしそう~。

そして夏は花もきれい。わたしのお気に入りはさるすべりです。‘百日紅’と書くのは花が長く咲いているからなんだよ、と教えてもらってから、本当にがんばっていつまでも咲いているのをみると嬉しくなってしまいます。で、花が終わる頃には、ああ、夏ももう終わるんだなあと物思いにふけったりして。
しかし、他のお宅のはもうけっこう咲いているのに、うちに植えてあるさるすべりくんはなかなか花をつけてくれません。そして、咲いても‘わさわさっ’という感じには程遠いし。なんででしょうか?でも今年も咲いてねー、ちょっとでもいいから。待ってるよー。

F_0715_1
小さい花がたくさん咲いて、枝が重そうにわさわさっとなってるのが好きなのです。

夏の映画といえば、みなさんは何を思い浮かべますか?わたしがぱっと思いつくのは『となりのトトロ』『太陽がいっぱい』『スタンドバイミー』。『太陽が~』のビデオは友人から貸してもらって観たのですが、なんとテープをデッキに巻き込ませてしまい、返すことができなかったという切ない?思い出があります。改めてごめんなさい、Tさん・・・。他の2本は自分でビデオに録画していますが、テープがどこにいったのか分からなくて去年の夏は観ることができませんでした。今年こそは探し出して8月の終わりには絶対観るぞ~と決めています。

となりのトトロ DVD となりのトトロ

販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
発売日:2001/09/28
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スタンド・バイ・ミー コレクターズ・エディション DVD スタンド・バイ・ミー コレクターズ・エディション

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2005/12/16
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アマゾンに画像つきのリンクがありませんでした・・・。

母からラストシーンの話を繰り返し聞いていたのですが、やっぱり知っててもあの最後は・・・ふう・・・となってしまう。おすぎさんはこの映画を観てA.ドロンを好きになり、絶対彼に会ってみせる!という意気込みで映画評論家になったのだとどこかに書いてありました。

あんまり(というかかなり?)評判よくなかったみたいだけど、リメイクの『リプリー』も大好きです。M.デイモンがJ.ロウに憧れるっていうのはすごく説得力があると思うのですが、どうでしょう?しかし『リプリー』は夏の映画って感じではないですね。

うーん、なんだかだらだら書いただけで‘お見舞い’になってないような気がしますが、とりあえず暑中お見舞いということで・・・。しつこいですが、みなさんちゃんと帽子を被って、ちゃんと水分を取って、ちゃんと眠って、お体を労わってください。で、桃を食べましょう~(?)。それではこの辺で。

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2006年7月13日 (木)

いつか晴れた日に

Senseandsensibility_07_07_1_3 公開当時(10年前!)にうちの映画館で一度観たきり、‘うん、好きだ’という感想ぐらいしか持っていなかった『いつか晴れた日に』を再見しました。観てみると、10年後のわたしはこの映画をとってもとっても好きになっていました(やっぱりBBM&アンリー効果が大きいだろうけど)。以下ものすごくネタばれ。

J.オースティンがこの映画の原作『分別と多感』を執筆したのは18世紀後半なのだそうですが、時代も生活様式も全く違うこのイギリス人女性たち(そして男性たち)の恋愛模様を描いた物語が、またもやBBMに重なってしまってちょっと不思議(その辺のところはパンフレットやキネ旬にさすがプロ!というしかない分析が載っています)。
小説BBMでイニスは‘知ったこと’と‘信じようとしたこと’に引き裂かれて(ジャックをも巻き添えにして)苦しまなければなりませんでしたが、この『いつか晴れた日に』の登場人物たちは‘分別’と‘多感’に左右されてかなりの遠回りを強いられながらも、最終的には幸せにたどり着くことができました(この大団円は心底嬉しかった。みんな、よかったね)。

父親のダッシュウッド氏が亡くなる場面から始まるこの物語。当時の女性のほとんどは男性の財力に頼って生活しており、主人公のエリノアたち一家の暮らしはいろいろな事情から一気に困窮することになってしまいます。そんな中で姉のエリノア、妹マリアンヌの恋物語が展開していくのですが・・・。

Sesneandsensibility_0707_4_2理想にぴったりのウィロビーと恋に落ち、他のことがほとんど目に入らなくなるほど突っ走ってしまうマリアンヌ。亡くなった父親の代わりに一家を支える責任を感じ、そして何よりもその性格上、エドワードへの恋心を無邪気に表すことはできないエリノア。彼女たちは小さな誤解やすれ違い、思い込みから、なかなか真の愛に気付くことができません。
別の男に恋しているマリアンヌを、彼女が幸せなときもぼろぼろになってしまったときも変わらずにすぐそばでずっと見守っているブランドン大佐。自分は片思いなのだと思い込んでしまう、エリノアに負けず劣らず不器用で奥ゆかしい?性格のエドワード。“I love you.”とも言わず、相手との距離を保ちながら(ベッドシーンはおろかキスシーンすらない。握手もせずにお辞儀するだけ)、なんとか愛を伝えようとする彼ら。
相手から裏切られたり、自分ではどうしようもない事件が起きたりして、‘多感’な若者も、‘多感’を‘分別’で押さえつけようとする大人も、イニスのように‘どうにもできないなら耐えるしかない’とあきらめてしまいそうになる。ほんとに最後の最後までやきもきさせられてしまいますが、でも、だからこそラストの幸せ感が本当に際立っています(←エリノアの涙と笑顔に、同じように泣き笑いしてしまったわたし)。やっぱり“I love you.”とは言わないエドワードの告白も大好き(これってまるでイニスの“I swar....”じゃないのさ!!!と思ってしまった)。

「今やっとあなたに言うことができます いつまでも ぼくの心はあなたのものだと」

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そしてこのお話はラブストーリーであり家族の物語でもあります。お互いが辛いときでも妹(姉)を思いやるエリノアとマリアンヌ。エリノアの恋が成就したのを見て心から喜ぶ家族たち。アンリー映画はやっぱり‘家族’が大きなポイント?
この作品は、彼が初めて母国の外に出て撮った映画なのだそうです。英語に苦労させられたようなことを音声解説で語っていらっしゃいましたが(謙遜か?)、そんな状況下でも、そして10年も前からリー節は顕在なのが興味深い。景色にこだわり、アングルにこだわり、色にこだわり、音楽にこだわり。なかでも景色は本当に綺麗でした。
それにしてもこのDVDの音声解説は本当に面白かった。爆笑してしまう部分もあったし、話を聞いてるとリー氏の物腰柔らかそうだけどかなり辛辣なことをずばっと言ってのけてそうな姿が目に浮かびます。予算は少なかったけどとても楽しい現場だったということでしたが、果たしてBBMの場合はどうだったんだろう?話が話だからなあ・・・。

ラスト、晴れ渡った空の下、ブランドン大佐とマリアンヌの結婚式が執り行われます。それを人知れず丘の上から見つめるひとりの男。貧乏な家の娘マリアンヌを捨てて金目当ての結婚を選んだウィロビーです。エドワード・エリノア夫妻や家族、いろいろな人から祝福されてとても幸せそうなマリアンヌを見届けて、彼女の人生から永遠に姿を消す決心をしたかのごとく馬に乗ってひとり去って行くウィロビー。(観客も含めて)みんながとても幸せ気分に浸っている中でのこの彼のエピソードが、この作品が単なるハッピーエンドのラブストーリーではないことを物語っている気がして、はっとさせられます。やっぱりわたしは悲しいハッピーエンドが好きなようです。

借りてきたDVDを返すのが名残惜しくて、延滞するか?と一瞬思ってしまいました。‘買わなければならないDVDリスト’に早速入れたのは言うまでもありません(でもリスト増えるばっかりで全然買ってないんだけど・・・)。

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2006年7月 6日 (木)

ブロークバック マウンテン:このせりふが好きなんです

Brokeback Mountain: Story to Screenplay Book Brokeback Mountain: Story to Screenplay

著者:Annie Proulx,Larry McMurtry,Diana Ossana
販売元:Scribner Paperback Fiction
Amazon.co.jpで詳細を確認する

最近の映画の中では際立ってせりふが少なく、‘静けさ・沈黙’がせりふと同じかそれ以上の役割を持っているBBMという映画。
以前同僚が『恋愛小説家』という映画のことを「‘I love you.’という言葉を使わないでいかに‘I love you.’という気持ちを伝えるかを描いている作品」と言っていて、うわあ~その通りだ~とその人のことをむちゃくちゃ見直してしまいました。最近のラブストーリーでも、そういえばあんまり‘I love you.’というせりふを聞かなくなった気がするような。観客の目(耳?)が肥えてきて、単に‘I love you.’と言わせるだけではみんな納得しないのかもしれません(わたしもそう)。
しかしBBMはそういうこととは関係なく、時代とか土地柄とか生い立ちとかその他諸々の事情のせいで、‘I love you.’と簡単には言えない(言うことが許されない)人たちを描いた映画なので、その分かりやすい言葉が出てこないのは当然。そしてそのおかげで(と言うのはおかしいかもしれませんが)、‘I love you.’に代わる、それ以上に素敵なせりふが随所に盛り込まれていると感じられます。
という訳で、明日は七夕でもあることですし(?)、わたしが勝手に愛を感じてしまう・あるいは印象的な・BBMのせりふたちです(当然ネタばれ・しかもまた長ーくなります)。

Jack: Friend, that's more words
          than you've spoken in the past two weeks.
Eniss: Well, it's the most I've spoken in a year.

(2週間目にして初めてイニスが自分のことを話してくれて、喜びを隠せないジャック。イニス自身も、ジャックに話せたことが嬉しいという表情を浮かべていて、それを見たわたしも嬉しくなりました。)

Jack: Time to get goin', cowboy.

(投げ縄!!!投げ縄につきます~。)

Lureen: You don't think I'm too fast, do you? 
              Maybe we should put the brakes on.
Jack: It's your call. Fast or slow,
        I just like the direction you're going
.

(突っ走りすぎた?ととても不安げに尋ねるラリーンに、ジャックは笑みを浮かべてこう答える。馬に乗る彼女にぴったりの言い回しだなあと思います。ジャックの答えに安心してもっと大胆になるラリーンが可愛かった。そんなラリーンを見てあせるジャックもさらに可愛かった~。このジャックのせりふでラリーンは彼に本気で恋をしたのではないかなあ。)

Jack: Anything interesting up there in heaven?
Eniss: I was just sending up a prayer of thanks.
Jack: What?
Eniss: For you forgettin' to bring that harmonica.
           I'm enjoyin' the peace and quiet.
Jack: ...You know , it could be this way.
          Just like this, always.

(久しぶりに会えて、やっと山の中で本当にふたりきりになれて、リラックスしているイニス。そんなイニスを嬉しそうに見つめるジャック。・・・でも。)

Eniss: If you can't fix it, Jack... you gotta stand it.

(・・・やりきれません。)

Jack: Whoa, son, there you go.
          No hands ! It's all yours, Bobby. It's all yours.

(ジャックはやっぱり息子のことを愛していたんだなあと実感できるせりふ。‘お父さん’ジャックの笑顔がとても好きでした。)

Brokebackmountainopening_0506_2_4

Alma Jr.: Daddy, tell about when you rode broncs
               in the rodeo.
Eniss: Short story, honey.
           Only 'bout three seconds I was on the blonc,
           an' the next thing I knew I was flyin' through the air.
           I was'nt no angel like you and Jenny,
           and did'nt have no wings.
           And that's the story of my saddle blonc career.

(この部分のト書きが‘娘たちは父親を愛していて、彼の話にうっとり聞き入っている’となっていて、なんだか安心。)

Jack: Tell you what...truth is, sometimes I miss you so bad
         I can hardlly stand it....

          そして、
Jack:   I wish I knew how to quit you.
    
と、このせりふを含むふたりの最後の会話

(このふたつはまさに‘I love you.’以上の意味が込められたせりふ。外側から観ている・聞いているわたしたちにはそのことが伝わったのに、ジャックの気持ちがどれだけのものなのかを一番知らなければならなかったイニス本人は気付けなかったのが今さらながら悲しい。
そして、言い争いの末最後にはただジャックにしがみつくことしか出来なかったイニス。イニスを詰りながら、泣き出した彼を見ると抱きしめずにはいられないジャック。・・・この場面を見るといつも、誰でもいいから、お願いだからこのふたりをなんとか幸せにしてあげて、と思ってしまうのです。)

Eniss: I'm sorry.
          Was probably no fan anyway, was I ?
Cassie: Oh, Eniss...girls don't fall in love with fan !

(‘面白かろうが面白くなかろうがそんなの関係ない’と言う彼女はきっとまだイニスを愛している。キャシーとイニスがどれくらいの間一緒にいたのかはわかりませんが、イニスとジャックの間に入り込むのはさぞかししんどいことだったでしょう。)

Jack's mother: You come back and see us again.

(お母さんのこのときの表情から本当にイニスがまた来てくれるよう願っていることがわかる。イニス、ちゃんと会いに行ってくれたかなあ。)

ラスト間際のイニスとアルマJr.の会話

(以前と変わらずにイニスの事を気にかけているアルマJr.と、娘と一緒にいるととても穏やかなイニス。もっと家具を置いたら?と言うアルマJr.にイニスは答えます。‘If you don't get nothin', you don't need nothin'.’無駄なものはいらないってことでしょうか? ‘If you can't fix it,~’といい、イニスの人生観ってなんだか淋しい。もっと欲張りな人はたくさんいるのに。
そして、結婚式に行くよとイニスが言ったときのアルマJr.の嬉しそうな表情。でもこの部分のト書きを読むと切ないです。‘Eniss smiles back at his luminous daughter. But his smile can't hide his regret and longing, for one thing that he can't have. That he will never have.’イニスは幸せに輝くような娘に微笑み返した。しかしその笑みの陰には彼の後悔、彼が求めてやまないものがあった。叶えられなかった、そしてこれからも叶えられることのない望みが。)

Eniss: Jack, I swear....

(ジャックへの‘I love you.’という気持ちを認めた後でもその言葉は使わないイニス。どうにもできないなら耐えるしかない、という彼の精一杯の言葉がこれだったのかなあ。彼が何を‘誓った’のか、わたしたちは想像するしかない。イニス本人も分かっていないのかもしれません。でもこれも‘I love you.’を超えた、映画史に残るせりふだと思います。)

でも、これだけ書いてきてなんなのですが。以前ぽちさんがコメントでおっしゃっていたように、せりふのない場面も雄弁なのがこの映画(下の画像のシーンのように)。観るたびにわたしが必ず泣いてしまうラリーンとイニスの電話のシーンも、せりふだけではあまり訴えてくるものがありません。やっぱり名場面というのはせりふだけではなく俳優さんたちの表情やしぐさなど全部が揃って初めて成立するものなんだなあと思います。・・・以上、またもや長くなってしまいましたが最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。

あと、蛇足。今回改めて脚本を見てみて、アルマ関連のせりふや場面の中にはわたしが好きなものはありませんでした・・・。なんでわたしはアルマをここまで冷たい目でみてしまうのでしょう???

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2006年7月 2日 (日)

カサノバ

やっと観ることができました、『カサノバ』。しかし、いきなり懺悔させていただきます・・・。
途中、寝てしまいました!!!
もうなんという間抜け!楽しみにしてたのに・・・。無理矢理観に行ってしまったのが敗因でございます。あ~あ、ほんとにイヤになる・・・。ごめんよ、ヒース・・・。
でもでも!この『カサノバ』という映画は、そんな自分のうんざりするようなアホさ加減も吹き飛ばしてくれるようなとてもハッピーな映画だったのでした。

以下ちょっと?ネタばれ。

詳しいあらすじを書くのもなんか違うかなあ~と思ってしまうくらい、ただただ楽しんで観ることができる、BBMの対極にあるような‘ポップコーンムービー’(ヒース談)。でも人生には‘ポップコーンムービー’だって必要なんだ!とつい力説したくなってしまう、そんな映画でした。みなさん書かれていますが、BBMの後にこの作品に出たことでヒースはかなりリハビリできただろうなあと思います。最近ずむ~っとなる映画ばかり観ていた(だけの)わたしにもこの映画は効きました。うふ。

Casanova_0701_3 ←ご主人様のためならエンヤコラ、のルポ氏

そして。やっぱりヒースのスタイルのよさは本物だ、なんか目が行っちゃうのです。そんでまたこの時代のこういう衣装がよく似合っているし(でもあの化粧はちょっとわたしはイヤだった)、かつら着けててもいいんだけどかつら取ったらもっと良くて。
でも、この映画のポイントはヒースだけではありませんでした(わたしにとっては)。文武両道のシエナミラー、いつになくお間抜けなジェレミーアイアンズ、打算的かと思いきやそうではなかったレナオリン、やっぱりわたし好みの役を演じてくれるオリバープラット、ヒースにどこまでも尽くすオミッドジャリリ、カサノバの‘後ろ盾’も、弟くんも、婚約者も、うさんくさい枢機卿も、その看護婦も、出ている人みんながなんだか楽しそうで。
『ロックユー!』でも、この『カサノバ』でも、いつの間にかたくさんの人がウィリアムやカサノバのの味方をしてくれる。そしてそれがちっとも不自然ではなく、わたしでもそうしたくなっちゃうだろうなあと思わされてしまう。ヒースには人を惹き付けるオーラのようなものがあるんでしょうかね。

Casanova_0701_4_3 ←愛すべき巨漢、パブリツィオ氏

物語の中でフランチェスカの母親が‘愛とは’と語る素敵なせりふがありました。でもその時の彼女の表情はそんな素敵なことを言うにはふさわしくないような厳しいもので、言外に「愛と結婚は別物なのよ」とフランチェスカを諭していた。いったいその辺はどういう風に決着するのか?書きたいけど書きません(こんなに‘ハッピー・ハッピー’と書いてきて、ここで今さらぼかしても意味ないような気もするのですが)。

映画を観る前はどんよりと曇って今にも雨が降りだしそうな空模様だったのが、観終わって外に出たときは雲の隙間から夜空が見え、気持ちの良い風も吹いていました。 カサノバのとびきりの笑顔を思い浮かべながら、とっても‘晴れやか’な気分のまま軽~い足取りで駅までルルル~と歩いて行った帰り道でございました。                                                                                                                                                              

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