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2006年5月29日 (月)

僕の大事なコレクション(2)

前回の記事、読んでくださった方いるのかしら・・・、多分まだ公開中なのにこんなにあらすじを書いちゃっていいのかしら・・・と思いつつ、ここでやめるのも中途半端で気持ち悪いので続けます~。しかし変なところで切っちゃったもんです、どうやって続けよう・・・。

Illuminated_0507_2

Bohさんのレヴュー:http://born-to-be-wild.way-nifty.com/boh/2006/05/post_a4da.html

以下、ネタばれまっしぐらです。

旅を続けるうちにおじいちゃんはいつもと違う言動を見せ始めます。思えば最初から少し変でした。‘ワシはもう引退したんじゃ!’ などと言っていたのに、“トラキムブロド” という言葉を聞いたとたんに ‘わかった、やろう’ と承諾したおじいちゃん。いざ旅に出てみると、アレックスの知らない(当然おじいちゃんも知らないはずの)ユダヤの言葉(たぶん)を知っていたり、サミーデイヴィスJr.Jr.を叩いたアレックスにいきなり殴りかかってきたり。そして彼の視線の先にいつもあるのは昼の空に浮かぶ月。アレックスには ‘目が覚めているのに夢の中にいるよう’ に見えます。でもおじいちゃんには、自分たちがどこに行くべきなのかが分かっていました(わたしにはそう思えました)。
おじいちゃんに促されて訪ねていった、ひまわり畑の中にぽつんと建っている一軒家。そこにはひとりのおばあさんがいました。彼女は言います、“わたしがトラキムブロドよ、あなたたちが来るのをずっと待ってたの” と。彼女はあの虐殺を生き延び、トラキムブロドの村人たちの遺品と共にひとりで暮らしていました。そしてこの人こそ、あのアウグスチーネのお姉さん、リスタだったのです。彼女の案内で、ジョナサンたちはかつてトラキムブロドの村があった場所へたどり着きます。

ここまであらすじばっかり書いてもう飽きてきたので(アンタが飽きてどうする)、ここから先はわたしが感じたことをちょっと交えてみます。Illuminated_0528_6_5
アレックスはカンゴールの帽子をかぶって夜な夜なクラブで踊る、今時の青年(ウクライナの今時っていうのがどんな感じなのかは知りませんが)。無邪気にアメリカを賞賛し、‘ニグロ’ という言葉を連発してはジョナサンを困惑させたりします。‘過去は過去、今じゃないことは思い出と一緒に葬り去ればいい’、そう思っていたアレックス。
高校生のとき、世界史をとってはいたけどいっつも赤点か赤点すれすれだったわたし。かと言って日本史に詳しいわけでもないのです・・・。日本人である自分に特別疑問も誇りも持っていない、‘日本人である’ ということの意味なんて考えたことがない。アレックスはそんなわたしと似たようなもんだったと思います(わたしは ‘今じゃないことは思い出と一緒に・・・’ とまでは思いませんが)。‘アメリカさいこー’な彼はきっと外のほうばかり見ていて、ウクライナという国のことやその歴史について、それまで深く考えたことはなかったに違いありません。
一方、そんな彼のおじいちゃんはずっと何十年も自分を偽り続け、自分を‘盲目’だと思い込むようになっていました。辛い過去から目を背けなければ到底生きてはいけなかったおじいちゃん。
少し前に、元日本人兵士がロシアでロシア人として暮らしていた(ちょっと違うかも?うろ覚えです)というニュースがありました。戦争当時20歳だったというその人は、今はもう日本語を話せなくなっているということでした。それは‘日本人である自分’をそこまで否定しなければ生きていけなかったからなんだろうね、と家族で話したのを覚えています。アレックスのおじいちゃんも、その人と同じような気持ちで日々を送っていたのかもしれません。でも、過去を捨てようと思いつめることはかえって過去にとらわれることでもある。ジョナサンに出会い、彼の為に、そして自分の為に、ジョナサンをトラキムブロドへ連れて行く決心をするおじいちゃん。‘辛い過去’の象徴である真昼の月(それは銃殺刑で殺されかけた彼が、意識を取り戻したときに最初に目にした光景だったのです)はやはり空に浮かんでいるけれど、迷いはありませんでした。

Illuminated_0528_1_6 リスタの案内でジョナサンを無事にトラキムブロドへ連れて行って、ひまわり畑の中の家に一行が帰ってきた後、彼女は尋ねます。 “戦争はもう終わったの?” (リスタはずっとひとりで閉じこもって暮らしていたので、終戦のことなど知らなかったのです。) その問いに、万感の思いを込めて “終わったよ” と答えるおじいちゃん。その後おじいちゃんは自ら命を絶ちます。観客であるわたしたちは回想シーンをとおして彼の苦悩を知ることができましたが、孫であるアレックスにはその術はありません。しかし遺体を発見した、ほとんど何も知らないはずのアレックスが感じたことはこうでした。 “なぜこういう道を選んだのかは分からないけど、じいちゃんは初めて自分の人生に満足しているように見えた。” それはあのお調子者であんまり何も考えたことがなさそうだったアレックスが変わったから。それは何故か?

またまたすごーく長くなってきたので、(2回で終わらせたかったんだけど)以下次号とさせていただきます・・・。何も考えないで行き当たりばったりなのがまる分かりですね。ふう。次の回ではBBMにつながる記事が書けるはずです、たぶん。

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コメント

>かいろさん
TB、コメント有り難うございました。
映画の内容をちゃんと説明すると…長くなっちゃいますね(笑)
だって、この映画、一筋縄じゃいかないですよ。奥深いしねぇ。
一見、ファンタジー映画かと思いきや、実は…。地味な映画でしたが、すごく印象に残った作品でした。

投稿: Boh | 2006年5月30日 (火) 01時05分

Bohさん、こんにちは!TB&コメント、うれしいです!ありがとうございます!
この映画どんな映画なんですか?と人に聞かれてすごーく説明に困ってううーんと言いよどんでいたら、感動ものなんですか?とまとめられてしまって更にううーんとなってしまいました。本当に不思議な映画ですよね・・・。観られてよかったです、はい。こういう拾い物の映画が時々あるので、食わず嫌いしないでいろいろ観なくちゃいけないなあと改めて思った次第でございます。
またお邪魔させてくださいね、ありがとうございました。

投稿: かいろ | 2006年5月30日 (火) 16時24分

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